薪ストーブの歴史

薪ストーブがない時代は? 薪ストーブが使用される前までは、焚き火で暖を取る手段としていて、そこから囲炉裏、暖炉へと変化してきました。囲炉裏は部屋中を暖めるだけなく、食べ物の調理ができ、部屋の照明にもなれば、濡れた衣服を乾燥させたり、また薪を燃やす時に出る煙が建材の防虫・防水性を高める家屋の耐久性向上に役にたっていました。しかし、室内では煙が充満してしまうため、眼病が発症したりしたいました。室内の煙を解消させるために、フードを取り付けましたが、それでは熱も逃してしまうということで、その周りにレンガなどを積んで蓄熱性を高めたのが暖炉です。囲炉裏は日本というイメージを持っている人も多いと思いますが、ヨーロッパでも使用されていました。

囲炉裏イメージ

~ 囲炉裏もとても趣深いですよね ~

世界の薪ストーブの歴史 薪ストーブの歴史をたどると、原型となっている鉄製の箱型薪ストーブは、14世紀後半にフランスで誕生し、その後ヨーロッパ各国で製造されたと言われています。しかし、世の中に知れ渡るようになったのは1742年にアメリカの政治家や物理学者として有名なベンジャミンフランクリンが開発した鉄製の箱型薪ストーブを開発してからだと言われています。当時は値段が高く、上流階級向けでしたがその後、ベンジャミンフランクリンが自分の開発した技術を活かしたいという願いで特許申請をしなかったことで一般家庭に広まったようです。
日本のストーブの歴史 日本で初めて制作されたストーブは、1856年(安政2年)の函館が始まりとされ、イギリス船が北海道に入港する際、寒さを凌ぐために使用していたストーブを参考に制作されたと言われています。明治時代になると、一般家庭でもストーブが使用されるようになり、どこでも簡単に手に入った薪を燃料にしたブリキ製の薪ストーブが普及していきました。その後、開拓が進み都市部で薪の入手が困難になると同時に、炭鉱の開発が進んだため、石炭ストーブが使用されていき、また、泥炭地では地面から掘った泥炭を乾かして燃料にした、泥炭ストーブも使われました。
現代はハイブリッド燃料? 現在では石油ストーブを中心として、ガスストーブ、電気ストーブ、温水やオイルを用いたセントラルヒーティングなど、さまざまな暖房器具が使われています。しかし、石油を使用することで地球温暖化が進行し環境問題となることから、1990年代後半から日本国内でも木質ペレットを燃料とするストーブが普及しつつあります。木質ペレットは、おが粉やかんな屑など製材副産物を圧縮成型した小粒の固形燃料で、不要物を原料とするなどCO2排出量削減の観点と、近年の原油価格高騰に対抗するコスト削減の観点から急速に注目されています。